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うっ滞性症候群(皮膚炎,潰瘍,脂肪織炎)

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-03-28
清島真理子 (岐阜大学大学院医学系研究科皮膚病態学教授)
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  • ■疾患メモ

    うっ滞性症候群(静脈瘤症候群)は,下肢の静脈うっ滞による皮膚障害の総称である。

    静脈うっ滞により表在静脈が拡張・蛇行した状態である静脈瘤を基礎として,皮膚炎,皮膚潰瘍,脂肪織炎を生じる。

    静脈瘤には一次性と二次性がある。
    ・一次性静脈瘤:静脈弁不全自体が原因となる。
    ・二次性静脈瘤:深部静脈血栓症や血栓症後の静脈瘤,妊娠,骨盤内腫瘍,動静脈瘻,血管性腫瘍などに続発する。

    中高年に好発し,女性に多い。肥満,妊娠,長時間の立ち仕事,骨盤内手術,下肢手術が誘因となる。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    〈静脈瘤〉

    大・小伏在静脈の怒張や蛇行,静脈瘤,側副血行により網目状の静脈拡張がみられる。伏臥位,坐位より立位でわかりやすい。

    〈うっ滞性皮膚炎〉

    下腿から足関節,特に下腿下1/3から内果,外果にかけての紅斑,鱗屑,紫斑,毛細血管拡張,浮腫から次第に黒褐色の色素沈着,浸潤性硬化局面を形成し,うっ滞性皮膚炎と呼ばれる。

    慢性に経過し,下腿の倦怠感,かゆみ,疼痛を感じ,特に夕方から夜間に強い。

    〈うっ滞性脂肪織炎〉

    還流障害が真皮深層から脂肪織に及び慢性炎症が続くと,紫褐色から紅色の硬い硬結を形成し,うっ滞性(硬化性)脂肪織炎と呼ばれる。下肢の疼痛を伴うこともある。

    うっ滞による硬化局面に白色の小陥凹(白色萎縮:atrophie blanche)がみられる。

    〈うっ滞性潰瘍〉

    うっ滞に伴う局所のかゆみ,違和感のための掻破や硬化局面の軽微な外傷を契機に潰瘍を生じると,うっ滞性潰瘍と呼ばれ難治である。

    消毒薬や外用薬により接触皮膚炎を生じ,さらに自家感作性皮膚炎を起こすこともある。

    細菌感染を合併し蜂窩織炎を生じることもある。

    【検査所見】

    理学的検査として,大・小伏在静脈と穿通枝の弁機能を見るトレンデレンブルグ検査と,深部静脈の開存と穿通枝の弁機能を見るペルテス検査がある。

    ドプラ聴診器により表在静脈逆流音を聴取する。深部静脈の血流,大・小伏在静脈と分枝の逆流を検査する。立位で検査するとわかりやすい。

    カラードプラエコー検査は簡便であり,静脈弁不全や逆流,分枝や穿通枝局在を検査できる。

    さらに適宜,MRアンギオグラフィー,造影CT,静脈造影検査により深部静脈,表在静脈,穿通枝の血流状態,深部静脈血栓,閉塞を確認する。

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