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クッシング症候群

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-03-28
柴田洋孝 (大分大学医学部内分泌代謝・膠原病・腎臓内科学講座教授)
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  • ■疾患メモ

    クッシング症候群は,副腎皮質に発生する腫瘍からの慢性的なコルチゾールの過剰産生をきたす疾患で,手術による治癒が可能な内分泌性高血圧である。

    クッシング症候群の病型は,日本では副腎性クッシング症候群が50%,クッシング病が40%,異所性副腎皮質刺激ホルモン(adrenocorticotropic hormone:ACTH)症候群などが10%であり,米国ではクッシング病が68%,副腎性クッシング症候群が20%,異所性ACTH症候群が12%と,大きく異なっている。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    易出血性,顔面紅潮,近位筋の筋力低下,赤色腹部皮膚線条(径1cm以上)などのクッシング徴候や,小児における成長障害を伴う体重増加は,クッシング症候群を識別する身体所見である(いずれも感度は低い)。

    満月様顔貌,鎖骨上窩脂肪沈着,皮膚の菲薄化,挫瘡,月経異常,うつ症状なども本症に特徴的であるが,非特異的である。

    【検査所見】

    スクリーニングは,24時間尿中遊離コルチゾール高値,夜間血清コルチゾール濃度>5μg/dL,デキサメタゾン1mg抑制試験(>5μg/dL)により行う(1)~3)

    10_20_クッシング症候群

    外因性糖質コルチコイド治療による医原性クッシング症候群が多いので,詳細な問診により除外する。

    病型診断は,血漿ACTH濃度を測定し,抑制(<5pg/mL)があれば副腎性,抑制なし(≧5pg/mL)であれば下垂体性クッシング病または異所性ACTH症候群を鑑別する。

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