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感染症診療におけるChoosing Wisely【わが国のみならず世界的にも,抗菌薬は風邪症状に処方しない流れとなっている】

No.4872 (2017年09月09日発行) P.55

具 芳明 (国立国際医療研究センター病院AMR臨床リファレンスセンター情報・教育支援室長)

岸田直樹 (感染症コンサルタント)

登録日: 2017-09-07

最終更新日: 2017-09-05

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  • 我々が日頃行っている医療行為が過剰になっていないかを検証し,無駄な医療を減らしていくための概念として「Choosing Wisely(賢い選択)」という言葉を聞くことが増えました。感染症分野においてはどのような医療行為がChoosing Wiselyに該当するのでしょうか。日常診療の中で意識すべきChoosing Wiselyの考え方や実践のコツについて,感染症コンサルタント・岸田直樹先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    具 芳明 国立国際医療研究センター病院 AMR臨床リファレンスセンター情報・教育支援 室長



    【回答】

    簡単に言えば,Choosing Wisely1)は過剰医療を抑えようとする米国発のキャンペーンです。医療のすべての分野に関して「医療者と患者が検討するべきこと」を提示しています。表面上柔らかく言っていますが,それらは本来「やってはいけない無駄な医療」ということになります。「わかっちゃいるけどやめられない」というのが人間の性質でもありますが,それにより患者だけではなく,社会に大きな弊害が出ているためこのようなキャンペーンになり,2016年にわが国にも上陸しました。今後,わが国でも大きな動きとなることが予想されます。

    さて,このChoosing Wiselyにおいて,感染症はすべての分野に関わる臓器横断的な特徴があるため,感染症系の学会だけではなく,様々な領域で感染症の項目があるのが大きな特徴です。薬剤耐性菌が全世界の公衆衛生学的な脅威であることもふまえ,抗菌薬適正使用という切り口のものが多いのですが,それ以外にも検査の適正施行や感染対策・医療関連感染予防の観点もみられます。なぜなら医療関連感染症の7割は適切な介入で予防可能とされているからです。

    このキャンペーンは米国に限らず今は全世界的に広がっているので,他国の項目も含めてわが国の現状に合ったよく取り上げられている項目をご紹介します。

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