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【SPECIAL NTERVIEW】日本医師会 横倉義武会長「医師に大切なのは『人が好き』という資質」

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  • フェアな入試であることが大切

    東京医大の事案に端を発し、2018年に発覚した一連の医学部入試における不正は社会問題化しましたが、会長はどのように捉えていますか。

    横倉 大前提として、入学選抜は医学部に限らず公平性が担保されたものでなければいけません。その上で私立においては各医学部のアドミッションポリシーに基づき判断が委ねられているわけですが、不適切な選抜が行われたことは問題だと思います。

    1970年代以降各県に設置された医学部の主な目的は、医師不足の解消でしたが、医学部人気の高まりで全国から受験生が集まるようになり、卒業後は都市部や出身地に戻るケースが多い現状があります。本来の目的を果たせていないということで、国立を含め医師不足に悩む地方の医学部が地域医療に従事する医師を確保するために地元の学生を優遇したい気持ちは理解できる部分があります。ただ、募集要項に明記していないような得点調整などは行うべきではありません。

    その後、全国医学部長病院長会議が「大学医学部入学試験制度に関する規範」を公表し、各大学は改革に取り組んでいます。

    横倉 各大学とも公平性を強く意識した入試に変わったと理解しています。女子学生の扱いが大きな問題になったわけですが、個人的には必ずしも厳格にイーブンである必要はなく、判定基準がフェアであることが大事であると感じています。すでに医学部の女子学生比率は30%を超えていますが、今後さらに増加していくことは確実でしょう。結婚や出産といった女性特有の事情を踏まえつつ、女性医師が望んだキャリアをしっかり積んでいけるような環境を医療界全体で整えていかなくてはいけません。

    総合的な診療能力を身につけてほしい

    医学部に入ってからはどのようなスキルを身につけてほしいと考えていますか。

    横倉 これからは高齢者医療が重要になります。診療だけではなく患者さんやご家族に寄り添う医療を提供する必要があります。そのためには総合的な診療能力を身につけていかなくてはなりません。医学部教育もより実践的なものに変えていこうという流れになっていて、学部の4年生でCBTやOSCEを実施し、それをクリアした学生は5・6年生でスチューデントドクターとして指導教員の監督のもと、一部の医療行為が行えるようになります。

    臨床研修も参加型のカリキュラムを重視する方向に変更されていますね。

    横倉 学部の5・6年と卒後2年の計4年間で、地域医療に求められる総合的な診療能力を高めてもらい、その後自分の興味のある専門分野を追究していくようにしてもらいたいと思います。医師不足と言われますが、昔の方が絶対数は少なかった。専門分化が進みすぎたことで、「専門の先生に診てもらわなければ治らない」という感覚が醸成されていったように思います。総合的な診療能力を身につけたかかりつけ医であれば、ほとんどの問題は解決するということを国民に理解してもらえるよう、医師会も努力していかなくてはいけないと考えています。

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