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去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)に対する放射線治療戦略【全身薬物療法に加えて,外部照射の役割が注目。放射性同位元素による内用治療も重要】

No.4907 (2018年05月12日発行) P.56

松尾政之 (岐阜大学大学院医学系研究科腫瘍制御学講座 放射線医学分野教授)

中村和正 (浜松医科大学放射線腫瘍学講座教授)

登録日: 2018-05-13

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  • 去勢抵抗性前立腺癌(castration resistant prostate cancer:CRPC)とはどのような状態なのでしょうか。また,その状態における治療戦略や放射線治療の役割はどのようなものがあるのでしょうか。浜松医科大学・中村和正先生のご教示をお願いします。

    【質問者】

    松尾政之 岐阜大学大学院医学系研究科腫瘍制御学講座 放射線医学分野教授


    【回答】

    大部分の前立腺癌は,男性ホルモンの作用を抑制することで増殖を抑えることができます。しかし,いずれはこのようなホルモン療法に抵抗性になり,CRPCとなります。

    CRPCでは,化学療法や新規アンドロゲン受容体標的薬などが適応となります。前立腺癌の転移部位は骨が圧倒的に多く,CRPCでは骨転移の治療を含めた治療戦略を立てることが重要です。

    前立腺癌の骨転移に対する放射線治療の役割は,①疼痛のコントロール,②病的骨折の予防,③骨転移に伴う脊髄圧迫の治療・予防が主となります。また,局所再燃により生じた尿閉などの症状改善には,緩和的に行う外部照射が有効です。しかし,このような緩和的な目的に加えて,近年,生存率延長をめざした,放射線治療の新たな可能性が指摘されはじめています。

    まず,転移部位が少数に限られている場合(オリゴメタスタシス)では,根治を目的に全病変に外部照射を加えることにより,生存率が延長する可能性があり,定位放射線治療や強度変調放射線治療などの最新技術を使って,通常より少ない回数で治療する試みが海外で行われています。現在いくつかの臨床試験が実施されており,その有用性が証明されるかもしれません。

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