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【論点】前立腺癌の早期発見にPSA検診は有効か?

No.4905 (2018年04月28日発行) P.34

伊藤一人 (医療法人社団美心会 黒沢病院院長)

登録日: 2018-04-26

最終更新日: 2018-04-23

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Aを選びます。前立腺特異抗原(PSA)検診は無作為化比較対照試験(RCT)でがん死低下効果が確定しました。一方で,検診受診で過剰診断・過剰治療の不利益を被るリスクがあるため,正しい情報提供が同時に重要ですが,利益は不利益を上回るとの研究結果が出ています。将来は,新規腫瘍マーカーの開発,低侵襲治療・監視療法の普及,オーダーメード検診の導入により,純利益はさらに大きくなると予測されます。

1 背景

わが国の前立腺癌罹患者数は,2014年の予測では胃癌,肺癌に続いて男性がんの第3番目であったが,15年と16年は最も罹患数の多い男性がんになった。前立腺癌死亡者数は,2013年の1万1560人をピークに,14年は1万1507人と初めて減少に転じた。

米国ではprostate-specific antigen(PSA)検診が1980年代後半から普及しはじめ,前立腺癌死亡者数は92年以降減少が続いており,2012年の死亡率は1990年と比べ約50%も低下している。また,日本泌尿器科学会(The Japanese Urological Association:JUA)が行った全国調査では,2000年の転移がん比率は21.3%であったが,04年は11.6%に低下している。一方,米国ワシントンDC在住のアジア系米国人の転移がん比率は3.1%と非常に低い1)

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公立小浜温泉病院

勤務形態: 常勤
募集科目: 消化器内科 2名、呼吸器内科・循環器内科・腎臓内科(泌尿器科)・消化器外科 各1名
勤務地: 長崎県雲仙市

公立小浜温泉病院は、国より移譲を受けて、雲仙市と南島原市で組織する雲仙・南島原保健組合(一部事務組合)が開設する公設民営病院です。
現在、指定管理者制度により医療法人社団 苑田会様へ病院の管理運営を行っていただいております。
2020年3月に新築移転し、2021年4月に病院名を公立新小浜病院から「公立小浜温泉病院」に変更しました。
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2022年4月1日より脳神経外科及び一般外科医の先生に常勤医師として勤務していただくことになりました。消化器内科医、呼吸器内科医、循環器内科医及び外科部門で消化器外科医、整形外科医の先生に常勤医師として勤務していただき地域に信頼される病院を目指し歩んでいただける先生をお待ちしております。
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