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89歳,男性,高齢者の不明熱[国立国際医療研究センター臨床カンファレンス(25)〈最終回〉]

No.4901 (2018年03月31日発行) P.44

登録日: 2018-03-29

最終更新日: 2018-03-28

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難易度:★★★☆☆

司会&総合診療科指導医K:今回も総合診療科の症例です。では,K先生お願いします。

担当医(総合診療科後期研修医):はい,よろしくお願いします。この症例は,他院で既に発熱に対する精査がなされた後に,熱源不明ということで当院当科に転院してきたという症例です(スライド1)。



会場:これによると血液培養もきちんと実施され,感染性心内膜炎(infective endocarditis:IE)なども検討されていたようですね。

会場(研修医):「抜歯後」が気になりました。

担当医:そうですね。抜歯後の発熱には間違いないようですが,抗菌薬開始前の血液培養は陰性でした。

転院前の経過をどう読むか

会場:発熱は,むしろ抗菌薬開始後からでは?

担当医:それはないと思います。

司会:待って下さい。今の質問は鋭いですね。なぜそれを確認したのでしょうか?

会場:あ,いや薬剤熱なのかなと。

司会:これは素晴らしい指摘です。研修医の先生方,覚えておいて下さい。

担当医:実際には,抗菌薬開始前からの熱であったことと,前医入院中,抗菌薬投与を打ち切り後もCRP高値が持続したことなどから,薬剤熱は違うかなと。経過図を示します(スライド2)。

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