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高齢者肺炎の予防に対する肺炎球菌ワクチンの効果【免疫不全者,基礎疾患,合併症を有する者へはPCV13,PPSV23の連続接種を考慮】

No.4890 (2018年01月13日発行) P.58

門田淳一 (大分大学医学部呼吸器・感染症内科学講座 教授)

渡辺 彰 (東北大学加齢医学研究所 抗感染症薬開発寄附研究部門教授)

登録日: 2018-01-10

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  • 高齢者肺炎の予防には肺炎球菌ワクチン接種が推奨されていますが,肺炎の予防にどの程度効果があるのでしょうか。23価多糖体肺炎球菌ワクチン(PPSV23)が65歳以上の高齢者において定期接種化され,わが国の接種率も高くなってきており,再接種も可能となりました。現在では13価結合型肺炎球菌ワクチン(PCV13)も高齢者に対して接種可能となっています。東北大学・渡辺 彰先生は,各学会において肺炎球菌ワクチン接種の指針を作成する上で中心的役割を果たされています。ぜひ,この2種類の肺炎球菌ワクチンの肺炎予防における位置づけや有用性,再接種の回数や有効性,安全性などについて教えて頂ければと思います。

    【質問者】

    門田淳一 大分大学医学部呼吸器・感染症内科学講座 教授


    【回答】

    肺炎球菌は,市中肺炎の最大原因菌で特に高齢者肺炎に多く,インフルエンザ流行時や災害時にさらに猛威を振るいますが,100種類近い莢膜血清型中,約30の血清型がヒト病原性を示すとされています。わが国の65歳以上の高齢者の肺炎予防では,1988年承認のPPSV23と,2014年承認のPCV13の2つを用いることが可能ですが,PPSV23は,2014年から65歳以上高齢者でB類疾病用ワクチンとして定期接種が始まりました。

    PCV13は初回接種後にT細胞を介する免疫記憶が成立し,免疫は強く持続するものの13の血清型のカバーにとどまるのに対し,PPSV23は23の血清型をカバーしながらも免疫抗体価の低下が経年的にみられ,通常5年経過後に再接種を検討することが勧められています。いずれのワクチンでも肺炎予防や安全性に関するエビデンスが数多くあり,PPSV23の再接種や3,4回目接種の有効性と安全性も確認されています。問題は使いわけです。

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