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安倍首相に「医療への適切な財源の手当が必要」と訴え【日本医師会・横倉会長】

登録日: 2017-11-10

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日本医師会の横倉義武会長は9日午前、首相官邸で安倍晋三首相と面会し、2016年度の「医療経済実態調査」(実調)で、一般病院の損益率が過去3番目の低さとなったことを踏まえ、「医療が危機的状況に置かれている」と訴えた。同日夕の臨時会見で横倉氏は、面会でのやり取りを報告。「医療への適切な財源の手当てが必要だと、首相にもご理解いただいたと思う」と感触を語った。

8日に公表された実調の結果によると、2016年度の一般病院全体の損益率はマイナス4.2%(対前年度比0.5ポイント減)となった。開設者別にみても、医療法人立プラス1.8%(同0.3ポイント減)、国立マイナス1.9%(同0.6ポイント減)、公立マイナス13.7%(同0.9ポイント減)と、軒並み下がっていた。

■財務省の見解に「疑念すら抱く」

一方、財務省は8日、実調の結果について「損益率が高い医療法人の施設数の割合が実際より小さく、損益率の低い公立病院の施設数の割合が実際より大きいため、必ずしも一般病院全体の経営状況を適切に反映していない面がある」と指摘。実際の施設分布による加重平均でみると、国公立を除く一般病院の損益率は前回改定時(2014年度)より「むしろ改善している」との見解を示した。

これに関して横倉氏は「診療報酬引下げに都合の良いデータのみを収集したいという思いの表れではないか。そんな疑念すら抱く」と不快感を表明。その上で、「少なくとも本体のプラス改定が必要」との方針を改めて強調した。

実調の結果や調査手法の細部にまで再考を促す財務省に「強い憤りを覚える」と述べる横倉氏

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