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(3)乳幼児の喘鳴を鑑別するために必要な肺聴診の知識 [特集:乳幼児の喘鳴を鑑別する]

No.4776 (2015年11月07日発行) P.37

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-02-09

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  • 喘鳴は聴診器なしでも聴取できる異常な呼吸性雑音の総称で原因に応じた特徴がある

    上気道の1点の狭窄では吸気優勢な単音性連続音であるストライダー(stridor)が認められる

    下気道の広範な狭窄では呼気優勢な多音性連続音であるウィージング(wheezing)が認められる

    下気道に広範な分泌物貯留があると水泡音が無数に集まって複雑な喘鳴音となる

    上気道の分泌物貯留によりうがいのようなガラガラ音(rattling)が生じることがある

    新生児呼吸障害では声帯から発する呼気性の呻吟(grunting)が認められる

    乳幼児における「いびき」(snoring, stertor)は異常所見である

    1. 喘鳴の分類と発生のメカニズム

    喘鳴とは,患者から離れて聴診器なしでも聴取できる異常な呼吸性雑音の総称である。様々な原因による気道狭窄に伴う連続音であり,ゼーゼー,ヒューヒューと表現されることが多い。乳幼児の気道は成人や年長児に比して内腔が細く,気道壁は軟弱でつぶれやすい。また,咳などで分泌物を排除する力が弱いので,分泌物が貯留しやすく喘鳴が発生しやすい。そのため,喘鳴をきたす疾患はきわめて多彩であるが,その発生部位や発生機序による特徴が現れるので,分析的に注意深く聴診すれば,診断に結びつけられる場合が多い。なお,運動などに伴う換気量の増大時に,気管喉頭部で発生するハーハーという白色雑音のような呼吸音は正常なものであり,喘鳴とは呼ばれない。喘鳴の発生部位を判別するには,聴診器で頸部と胸部を聴き比べるのが簡単で確実な方法である。
    図1に現在の肺聴診で使用される肺音分類を示した1)。図に示した肺聴診用語は,胸郭内で生じて胸壁上に伝達される通常の呼吸音とそれに加わる余分な異常呼吸音である副雑音にわけられ,肺内で発生する副雑音をラ音と称する。ラ音はまず,連続性ラ音(ウィーズ:wheezes)と断続性ラ音(クラックル:crackles)にわけられる。連続性ラ音はさらに,高調性の「笛(様)音」(ハイピッチ・ウィーズ:high-pitched wheezes)と低調性の「いびき(様)音」(ローピッチ・ウィーズ:low-pitched wheezes,またはロンカイ:rhonchi)に分類される。この連続性ラ音が聴診器なしでも患者周囲で聴取できるほど大きければ,喘鳴と呼ばれる。

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