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【人】佐藤 仁さん「日本の西洋医学発祥の地で日々患者と向き合って」

No.4688 (2014年03月01日発行) P.79

登録日: 2014-03-08

最終更新日: 2017-09-12

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佐藤 仁さん(Sato Hitoshi)

佐倉順天堂医院院長

1961年千葉県生まれ。87年順天堂大卒。同大附属順天堂医院・内科で研修後、循環器内科に入局、同医局長を経て、2009年より現職。13年印旛市郡医師会佐倉地区執行部第二参与。

日本の西洋医学発祥の地で日々患者と向き合って

幕末、「西の長崎、東の佐倉」と称えられ、長崎と並ぶ蘭学の先進地であった佐倉藩(現千葉県佐倉市)。江戸の蘭学医・佐藤泰然が当時の藩主の招きに応じて、その拠点となる「佐倉順天堂」を創設したのは1843(天保14)年のこと。佐倉順天堂では西洋医学による治療と同時に医学教育が行われ、順天堂大学の礎を築いた佐藤尚中をはじめ、後に日本の西洋医学黎明期を支えることになる数多くの医師たちを輩出した。現院長の佐藤仁さんは、泰然から数えて7代目に当たる。

実は、佐倉順天堂は仁さんの曽祖父である恒二さんが亡くなった際、後継ぎがいなかったため一度閉院になったことがある。それを1967年に再開したのが仁さんの父、強さんだった。医院再建に尽力する父の背を見て、仁さんも次第に医師という職業を意識するようになった。

「医師になれと言われたことはありませんが、朝から晩まで休みなく働く父の姿を目の当たりにして、『大変だけれど感謝される魅力ある仕事』だと感じ取ったのだと思います」

母校である順天堂大学で循環器内科の医局長を務めた後、2009年に佐倉順天堂を引き継いだ。循環器の専門医としての経験を生かし、生活習慣病予防を重視した診療をするなかで、特に心がけているのが、患者の個別性を踏まえた医療の提供。「年齢も性別も生活環境も違う患者さんそれぞれに応じた医療をいかに提供するか。それこそが診療に時間をかけられ、回数も診られる開業医のやるべき仕事だと考えています」と話す。

日常診療に加え、学校医や産業医としての仕事、医師会活動など多忙を極める仁さんのリフレッシュ法は、趣味の写真撮影と開業医仲間や同級生との語らいの時間。「忙しさをぼやき、慰め合うことが一番の息抜き」と笑うが、貴重な情報交換の場にもなっているそう。

「別に新しいことをしたいわけではなく、開業医として患者さんに適切なことを適切に行うためには、やはり勉強が必要。患者さんに頼りにしてもらえるように、医療のレベルは大学病院に負けないようなクオリティを持っていたいと常に思っています」

医院の隣にある佐倉順天堂記念館は1975年に千葉県の史跡に指定され、85年から一般公開されている(佐藤さん撮影)

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