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陳旧性肺結核病変がある場合,ステロイド吸入は安全か?【標準治療を行っていない高齢者では高用量・長期投与時,呼吸器症状の変化に注意】

No.4861 (2017年06月24日発行) P.59

佐々木結花 (複十字病院呼吸器センター長)

登録日: 2017-06-20

最終更新日: 2017-06-20

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  • 陳旧性肺結核病変のある症例に対するステロイド吸入は安全でしょうか。

    (東京都 K)


    【回答】

    吸入ステロイド(inhaled corticosteroid:ICS)は気道の抗炎症効果に優れ,経口副腎皮質ステロイド(oral corticosteroid:OCS)ないしは点滴に比較し,副作用の発現は低率です。近年多彩なICSが開発され,高用量吸入も可能となりました。日本結核病学会は結核発症相対危険度を示し1),ICSで2.02),OSCで2.8~7.7であり,ICSでは高用量では発病リスクが高まると述べています。1000μgのフルチカゾン吸入はプレドニゾロン10mg程度の吸入に当たると報告されており3),長期にICSを用いた場合,内因性再燃としての結核発症に影響すると考えられます。

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