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【話題4】転移性前立腺癌のprecision medicine[特集:今、話題になっていること ─泌尿器科編]

No.4857 (2017年05月27日発行) P.34

永田政義 (順天堂大学大学院医学研究科泌尿器外科学准教授)

登録日: 2017-05-26

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  • 過去の去勢抵抗性前立腺癌治療

    転移性前立腺癌に対する治療は,基本的にはアンドロゲンを遮断する内分泌療法(ホルモン療法)である。前立腺癌は転移進行性であっても,初回のホルモン治療の反応は概して良好であり,診断時に既に骨などに多発する転移性癌であっても長期の生存を得られる症例もあった。しかし,いずれは治療の経過でホルモン耐性をきたした状態,つまり去勢抵抗性前立腺癌(castration-resistant prostate cancer:CRPC)へと病態は変化する。
    以前の治療法では,ビカルタミドやフルタミドなどの旧来のアンドロゲン遮断薬の使用後に一度CRPCとなると,なかなか病勢の進行を食い止めることはできなかった。エストラムスチンやエチニルエストラジオールなど女性ホルモン剤を使用しても,一時的には腫瘍マーカー(PSA)は下がるものの,全生存率において有効であるエビデンスを有する治療法は,実際にはなかった。

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