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人類の進歩と調和リターンズ(下)[なかのとおるのええ加減でいきまっせ!(148)]

No.4854 (2017年05月06日発行) P.73

仲野 徹 (大阪大学病理学教授)

登録日: 2017-05-06

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  • EXPO’70には、見知らぬ外国が、そして、希望に満ちた未来があった。当時中学生くらいだった大阪の子どもらに、決定的な世界観と未来観を植え付けたといっても過言ではない。少なくとも私は完全にそうだ。

    海外旅行には「夢の」という枕詞がつく時代だった。生の外国人をたくさん見たのも万博が初めてだった。将来、気軽に海外に行けるようになるなどとは夢にも思わなかったが、行きたい気持ちはいや増した。

    医療やITなどの科学技術は、展示されていた明るい未来以上に進歩した。しかし、それに対して社会は十分な調和がとれているとは言いがたい。苦心の末に産み出された「人類の進歩と調和」というテーマは、何と先見性に満ちたものだったのだろう。

    2025年に万博をふたたび大阪に誘致する、というのは、大阪以外でも大きな話題になっているのだろうか。テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」だ。う~ん、そうですか、とだけ言っておこう。

    『万博の歴史─大阪万博はなぜ最強たりえたのか』(平野暁臣著)は、万博の歴史を19世紀半ばのロンドン博から丹念に追った本である。副題にあるように、EXPO’70は万博史上稀に見る大成功で、以後の半世紀は長期低落傾向にあるらしい。

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