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(18)両下腿,両手背にしびれがある63歳女性[特集:備えておくべき重篤疾患の診かた─見落としを防ぐには]

No.4718 (2014年09月27日発行) P.96

編集: 本村和久 (沖縄県立中部病院プライマリケア・総合内科副部長)

藤原美佐紀 (市立福知山市民病院総合内科)

川島篤志 (市立福知山市民病院総合内科医長/研究研修センター長)

登録日: 2016-09-01

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  • 1. 初期症状

    2年前から近医で糖尿病治療中である63歳の女性(自営業。重い物を運ぶことも多い)。来院7日前より両下腿のしびれを自覚。その後,両手背にもしびれが出現した。来院2日前に整形外科を受診し,腰椎X線写真などを確認のうえ塗布薬を処方されたが改善せず,翌日夕方に当院救急外来を受診。

    2. 考えられる疾患

    救急外来では,緊急性の高い疾患・見逃したくない疾患から鑑別を挙げることが多い。
    そもそもしびれというのは自覚症状であり,客観的な情報を取りにくいが,「水を触ると痛みを感じる」との訴えで,この患者にはしびれ(異常感覚)があると判断した。しびれがある際,随伴症状の有無が手掛かりになるが,この時点では糖尿病罹患ということ以外は拾うことができなかった。
    しびれに関しては,どのような分布かで病態が想定できる。本例ではしびれの分布から脳血管障害は否定的な印象であったが,受診時は高血圧(165/104mmHg)あり,患者の解釈モデルでは脳血管障害が心配とのことであった。本例は正確な罹患歴・内服薬・コントロールの状況が不明な糖尿病患者ではあるものの,現時点では脳血管障害は考えにくいことを説明し,了解して頂いた。
    高血圧以外は緊急性を疑うバイタルサインの異常を認めず,脊髄病変を疑うようなしびれの分布や排尿障害もないと判断した。ただ,比較的亜急性の経過で進行する症状,障害部位の分布からは末梢神経型(多発単ニューロパチーあるいは多発ニューロパチー)が最も疑わしく,患者には,血管炎,脱髄性疾患,糖尿病性ニューロパチーの可能性を考慮しながら経過をみていくことで了承して頂いた。

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