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特発性後天性全身性無汗症 【発汗が障害され体温調節が困難に。2015年,指定難病に指定】

No.4816 (2016年08月13日発行) P.49

中里良彦 (埼玉医科大学神経内科・脳卒中内科准教授)

登録日: 2016-08-13

最終更新日: 2016-10-30

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特発性後天性全身性無汗症(AIGA)は「後天的に明確な原因なく発汗量が低下し,発汗異常以外の自律神経異常および神経学的異常を伴わない疾患」と定義される。体温調節に重要な発汗が障害され,運動や暑熱環境で容易に体温が上昇する。
2013年に「特発性後天性全身性無汗症診療ガイドライン」が公表され,2015年に改訂版が出された(文献1)。また,同年7月には厚生労働省が定める指定難病に指定された。AIGAは病巣部位により,(1)発汗神経障害,(2)特発性純粋発汗機能不全症(IPSF),(3)特発性汗腺不全,に分類されるが,実際にはほとんどのAIGAは汗腺のコリン受容体に異常が示唆されるIPSFである。
IPSFは,以下の特徴を示す(文献2)。(1)青年期男性に多い,(2)全身性無汗であるが腋窩,顔面には発汗が残存し,精神性発汗(手掌・足底発汗)は保たれることが多い,(3)四肢の発汗障害は高度だが体幹は低汗で,改善時も体幹から改善する,(4)女性例は軽症で体幹に発汗が残存する,(5)発汗誘発時に体幹にコリン性蕁麻疹,疼痛発作を伴う,(6)自然寛解(夏),増悪(冬)することがある,(7)ステロイドパルス療法が著効する。
AIGAは一般的な診察では異常を認めないため,診断されず見逃されることがある。しかし,本症の存在を知っていれば,臨床的特徴から診断は容易である。

【文献】


1)「特発性後天性全身性無汗症診療ガイドライン」作成委員会:自律神経. 2015;52(4):352-9.
2) Nakazato Y, et al:Neurology. 2004;63(8):1476-80.

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