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急性期脳卒中の血管内治療と血圧管理

No.4774 (2015年10月24日発行) P.51

大木宏一 (慶應義塾大学神経内科専任講師)

登録日: 2015-10-24

最終更新日: 2016-10-26

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脳梗塞の超急性期血管内治療に関しては,2013年の国際脳卒中学会(ISC2013)で報告された3つのランダム化比較試験では,有効性が示されなかったが,それ以降に報告されたMR CLEAN,ESCA
PE,EXTEND-IA,SWIFT PRIME,REVASCATの各試験では,いずれにおいてもその有効性が示された(文献1)。血管内治療デバイスや手技自体が向上したこと,前方循環の動脈近位部閉塞症例のみを対象としていることが,以前の報告との差異として挙げられる。
これに対応して,わが国でも2015年4月に「経皮経管的脳血栓回収用機器 適正使用指針」が第2版として修正された(文献2)。rt-PA静注療法の適応例に対してはそれを優先すること,現時点では後方循環系に関してはエビデンスがないことに留意しなければならない。
脳出血の急性期血圧管理としては,2012年にわが国から発表されたSAMURAI-ICH研究や2013年のINTERACT2試験の結果をもとに,「収縮期血圧140mmHg未満への降圧,および7日間の維持」という強化降圧療法の方針が「科学的根拠は不十分だが行うよう勧められる」として『脳卒中治療ガイドライン2015』(文献3)で示された。強化降圧療法による安全性はおおむね確認されたが,有効性については現在進行中のATACH-Ⅱ試験の結果も併せ,詳細に検討する必要がある。

【文献】


1) Grotta JC, et al:Stroke. 2015;46(6):1447-52.
2) 経皮経管的脳血栓回収用機器 適正使用指針 第2版. [http://www.jsts.gr.jp/img/noukessen.pdf]
3) 日本脳卒中学会 脳卒中ガイドライン委員会, 編:脳卒中治療ガイドライン2015. 協和企画, 2015.

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