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シックハウス症候群と化学物質過敏症

No.4772 (2015年10月10日発行) P.49

岩田 実 (富山大学保健管理センター准教授)

戸邉一之 (富山大学第一内科教授)

登録日: 2015-10-10

最終更新日: 2016-10-26

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2型糖尿病患者のインスリン分泌能を評価することは,糖尿病の治療法を決定する上で重要である。最近,Cペプチドインデックス(CPI)(文献1),SUIT(secretory units of islets in transplantation)(文献1)などの,インスリン分泌能の新しい指標が報告されてきた。CPIは,空腹時CPR(F-CPR)(ng/mL)/空腹時血糖値(FPG)(mg/dL)×100〔正常耐糖能者(NGT)≒1.60±0.57(unpublished data)〕という簡便な数式から算出可能である。SUITは1500×F-CPR/(FPG-61.7)(NGT≒100)とやや複雑な数式であるが,FPGが約60mg/dLでインスリン分泌能が0になるという,生理的なインスリン分泌状態も反映されており,この点ではHOMA-β〔=360×IRI/(FPG-63)〕とよく似ている。
実際,筆者らによる検討では,SUITとHOMA-βはほぼ完全な相関を示した(r=0.97)(文献1)。また,CPI, SUITはインスリン治療の必要性を判断する上で有用な指標になりうると報告されている(文献1~4)。
これらの報告をまとめると,現時点ではインスリン治療の必要性を予測する上でCPI,SUITはグルカゴン負荷試験時のΔCPRと同等,HOMA-β,1日尿中Cペプチドより優れた指標である。また,インスリン治療が必要とされるCPI, SUITの値はそれぞれ0.8~1.0以下(文献1~4),20~23以下(文献1,2)とされている。

【文献】


1) Iwata M, et al:J Diabetes Investig. 2014;5(5):570-80.
2) Funakoshi S, et al:J Diabetes Investig. 2011;2(4):297-303.
3) 浅野貴子, 他:糖尿病. 2008;51(8):759-63.
4) 宮本正治:日老医誌. 2009;46(3):244-9.

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