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胎児3D超音波の進歩と今後の可能性

No.4765 (2015年08月22日発行) P.48

加地 剛 (徳島大学産科婦人科講師)

苛原 稔 (徳島大学産科婦人科教授)

登録日: 2015-08-22

最終更新日: 2016-10-26

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超音波検査は,非侵襲的で被ばくの問題がなくリアルタイムに評価できるため,胎児の評価に不可欠な検査法である。近年の超音波装置の進歩,特に3D(3次元)超音波に関するもの,には著しいものがある。
以前の3D超音波は描出に時間を要し,画質も今ひとつで使いにくかった。しかし,最近では比較的容易に画像が得られるようになり,また画質の向上にも目を見張るものがある。もはや3D超音波は一部のマニアだけのものではなく,胎児超音波には必須の機能となっている。3D超音波は,3D用のプローブにより2次元画像データを集積し,ボリュームデータとして取り込む。そのデータを超音波装置上で画像構築することで作成される。
胎児で3D超音波が広く使われる理由のひとつは,胎児は羊水中にいるため表面構造が鮮明に描出できるからである。これを利用して胎児の顔を立体的に観察することができる。さらには顔をしかめる,笑うといった,顔の動きもわかるようになった。このような動きがどこまで感情を表現しているのかはわからないが,胎児の行動学や脳・神経発達の点から注目されている。
もう1つの利点は,ボリュームデータとして保存できることである。後でそのデータから自在な断面を切り出すことが可能であるため,胎児心臓病の遠隔診断に利用されている。
胎児3D超音波の進歩は著しく,新しい機能が次々に開発されている。単に立体的に見えるだけでなく,様々な可能性を秘めている。新たな胎児診断システムの構築や,胎児の生態解明につながることが期待されている。

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