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アレルギー体質の改善:舌下免疫療法

No.4738 (2015年02月14日発行) P.59

粒来崇博 (国立病院機構相模原病院アレルギー科医長)

登録日: 2015-02-14

最終更新日: 2016-10-26

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アレルギー特有の特定の抗原(アレルゲン)に対しての反応を抑制する試みとして,少量のアレルゲンを徐々に投与し寛解を促す免疫療法という治療が古来なされてきた。抗原を投与するためにアナフィラキシーのリスクがあること,確実な投与のために皮下注射を用いること,効果発現まで数カ月かかること,特定の抗原が手に入りにくいことから,抗アレルギー薬の開発とともに衰退してきた。しかし,通院の手間という弱点が克服されれば唯一の体質改善治療法であるために,根本的な治療としての利点が大きい。
より利便性を高める方法論として,近年,口腔内に抗原を自己投与し徐々に増量,維持するという舌下免疫療法が提唱された。この方法であれば,自己投与が可能になるため頻繁に通院する必要がなく,また,口腔内投与であるためアナフィラキシーになる可能性は皮下注射に比べて低い。
わが国ではスギ花粉症患者が全人口の30%を占めるため,スギ花粉症の舌下免疫療法が先行して開発され,2014年10月にシダトレンRが認可された。200JAU/mLの薬液を1週間自己増量し,
2週目に2000JAU/mLとして,3週目以降は維持療法を行う。
処方できるのは,日本耳鼻咽喉科学会や日本アレルギー学会で行われている舌下免疫療法講習会を受講後,webでe-learningを受講した医師に限られている。

【参考】

▼ 鳥居薬品:アレルギー免疫療法.jp.
[http://www.alg-immunotherapy.jp/index.php]

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