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DSM-5項目解説(5)

No.4723 (2014年11月01日発行) P.51

武田雅俊 (大阪大学精神医学教授)

登録日: 2014-11-01

最終更新日: 2016-10-26

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5 不安症群/不安障害群(anxiety disorders)
分離不安症(separation anxiety disorder)/選択性緘黙(selective mutism)/限局性恐怖症(specific phobia)/社交不安症(social anxiety disorder)/パニック症(panic disorder)/広場恐怖症(agoraphobia)/全般不安症(generalized anxiety disorder)/物質・医薬品誘発性不安症(substance/medication-induced anxiety disorder)

不安障害の項は,強迫性障害やPTSDを他の項に独立させたことで従来よりもコンパクトになり,同時に児童を対象にした分離不安症と選択性緘黙が加えられ,8種類の上記の不安症が発症年代順に並べられた。
不安障害は,恐怖,不安,回避の3要素が重要視されており,これらが6カ月以上持続することにより不安障害と診断される。社交不安症にはこれまで社会不安,社交不安の訳語が用いられてきたが,今回は,社交不安症の訳語に統一された。全般不安症は不安障害の原型とも考えられるが,不安と心配が6カ月以上持続すること,落ちつきのなさ,易疲労,集中困難,焦燥,筋緊張,睡眠障害のうち2項目以上を伴う場合に全般不安症と診断される。
DSM-5では,児童の不安障害は成人と異なり,その表現が異なることに注意が払われていることも特徴のひとつである。

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