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食品交換表の改訂

No.4717 (2014年09月20日発行) P.55

安藤明彦 (自治医科大学内分泌代謝科)

登録日: 2014-09-20

最終更新日: 2016-10-26

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平成25(2013)年11月に11年6カ月ぶりに『糖尿病食事療法のための食品交換表』が改訂され,第7版(文献1)が発行された。第6版(文献2)との改訂点は以下の通りである。
(1)指示単位配分例を炭水化物60,55,50%と3つにわけて表示,(2)食品分類表の表 2,3,4,6および調味料1単位当たりの栄養素平均含有量の変更,(3)食物繊維の多い食品(1単位中2g以上)を新たに野菜マークで明示,(4)農林水産省の野菜摂取量の推奨が350gとなり表 6(野菜・海藻・きのこ等)の1日指示単位が1→1.2単位に変更,(5)「私の食事療法」として自分の指示エネルギー量・配分を記入する頁を表紙裏に設定,(6)表 3(魚介・大豆類・卵・チーズ・肉)のイメージカラーの変更(青→赤),(7)表示食品数の増加や参考資料中の料理名追加・変更,(8)糖尿病治療の手引きとなるシェーマやコラムの挿入。
最も大きな変化は,炭水化物の総エネルギー量に占める割合が一律60%とされていたのが60,55,50%の3段階にわけて表示されるようになった点である。血糖コントロール改善および減量の観点から炭水化物(正確には食物繊維を除いた糖質)割合が低い食事パターンでの摂取量が明示された意義は大きいが,50,55%では脂質のエネルギー比率25%以上,蛋白質が標準体重1kg当たり1.2g超に増加することもあり,脂質異常症や腎症2期以降で蛋白制限を要する場合への適応時は留意すべきであり,1日指示単位の配分例の頁に赤字および下線で注意喚起が施されている。

【文献】


1) 日本糖尿病学会 編:糖尿病食事療法のための食品交換表. 第7版. 文光堂, 2013.
2) 日本糖尿病学会 編:糖尿病食事療法のための食品交換表. 第6版. 文光堂, 2002.

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