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JSH 2014の変更点:β遮断薬の位置づけ

No.4715 (2014年09月06日発行) P.57

新島 聡 (自治医科大学循環器内科教授)

苅尾七臣 (自治医科大学循環器内科学教授)

登録日: 2014-09-06

最終更新日: 2016-10-26

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日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン2009(JSH 2009)」(文献1)では,Ca拮抗薬,ARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬),ACE(アンジオテンシン変換酵素)阻害薬,利尿薬とともにβ遮断薬を主要降圧薬とし,積極的な適応や禁忌となる病態や合併症の有無に応じて適切に使用されるべきであるとされた。さらに,β遮断薬は積極的適応がない場合の高血圧に対して最初に投与すべき降圧薬(第一選択薬)として位置づけられていた。
しかし,β遮断薬はASCOT-BPLAやLIFE試験などの大規模臨床試験で,総死亡や心血管イベントに関してARB・Ca拮抗薬よりも発症率が高いという結果であった。それに加え,糖代謝へ悪影響があること,臓器障害抑制や中心血圧低下効果が他の降圧薬よりも弱いこともわかってきた。さらにCOPE試験では,Ca拮抗薬に併用する降圧薬は利尿薬かARBが最適であると結論づけられた。
これらを総合的に判断し,降圧薬としては他剤に劣るとの国内外のエビデンスから,JSH 2014ではβ遮断薬は合併症がない高血圧の第一選択薬から除外された。そのため,JSH 2014では,RA系阻害薬,Ca拮抗薬,利尿薬の3剤併用にもかかわらずコントロール不良な治療抵抗性高血圧の場合にβ遮断薬の追加を検討することとなった。
ただ,主要降圧薬であることには変わらず,心不全,頻脈,狭心症,心筋梗塞後などの心疾患合併高血圧に対しては死亡率を減少させ予後を改善させるため,積極的に投与されるべきである。

【文献】


1) 日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会, 編:高血圧治療ガイドライン2009. 日本高血圧学会, 2009.

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