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適応拡大で注目集まる免疫チェックポイント阻害薬─その効果と副作用【まとめてみました】

No.4788 (2016年01月30日発行) P.10

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-01-27

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  • 免疫チェックポイント(CP)阻害薬「ニボルマブ」が2015年12月、切除不能な進行・再発非小細胞肺がんに対して適応拡大された。ニボルマブは14年7月、世界に先駆けて日本で根治切除不能な悪性黒色腫を対象に製造販売が承認された薬だ。治療歴のある進行腎細胞がんに対しても適応拡大の承認申請が出されている。免疫細胞の働きを活性化させることでがんを攻撃する免疫療法で、手術、放射線療法、がんを直接攻撃する抗がん剤・分子標的薬治療に続く、第4の治療として注目される。

    がんの免疫療法の歴史は古いが、近年、免疫細胞の活性化にブレーキをかけている免疫チェックポイント機構が新たに解明されてきた。ヒトの体には、攻撃すべき異物かどうかを判断する免疫チェックポイントがある。一部のがん細胞は、そのチェックポイントを通り抜ける免罪符を持っていて、免疫細胞の活性化にブレーキをかけ攻撃されないようにしていることが分かってきたのだ。

    現在分かっている免疫チェックポイントには初期免疫段階のCTLA-4、エフェクター段階のPD-1の2段階あるが、ニボルマブは後者を遮断する抗PD-1抗体薬だ(図1)。抗CTLA-4抗体薬の「イピリムマブ」も15年7月に悪性黒色腫に対して承認され、肺がんなどでも臨床試験が進んでいる。


    図1 免疫チェックポイント阻害薬の作用メカニズム

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