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ワルファリンと新規経口抗凝固薬

No.4708 (2014年07月19日発行) P.58

海北幸一 (熊本大学循環器内科講師)

小川久雄 (熊本大学循環器内科教授)

登録日: 2014-07-19

最終更新日: 2016-10-26

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非弁膜症性心房細動における脳卒中発症予防を目的に開発された新規経口抗凝固薬(NOAC)は,従来のワルファリンと同程度あるいはそれ以上の予防効果を示し,安全性の面でも,ワルファリンと比較して頭蓋内出血の発現頻度を増加させないことが確認されている(文献1~4)。わが国では,2011年3月に直接トロンビン阻害薬ダビガトラン,2012年4月に第Ⅹa因子阻害薬リバーロキサバン,2013年2月にアピキサバンがそれぞれ発売された。
これらNOACに共通した特徴として,モニタリングによる用量調節を必要とせず固定用量で投与できるというメリットがある。しかし,適正な使い方をするには,年齢,体重,腎機能・肝機能障害の有無,消化管出血の既往,併用薬剤などを確認し,投与に適した症例か否かを検討する必要がある。また,投与後も定期的な腎機能評価,ヘモグロビンの測定,PTやAPTTなどの高度延長の有無の確認が必要であるとの意見もある。
さらに,ワルファリンからNOACへの切り替え,NOACからワルファリンへの変更などの際にも多くの留意点がある。したがって,投与する医師はその使い方に習熟する必要がある。

【文献】


1) Connolly SJ, et al:N Engl J Med. 2009;361◆(12):1139-51.
2) Patel MR, et al:N Engl J Med. 2011;365(10):◆883-91.
3) Granger CB, et al:N Engl J Med. 2011;365◆(11):981-92.
4) Giugliano RP, et al:N Engl J Med. 2013;369◆(22):2093-104.

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