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月経前にマンモグラフィー検査を避ける必要性

No.4738 (2015年02月14日発行) P.66

新藏信彦 (今井会足立病院京都ブレストセンター沢井記念乳腺クリニック院長)

登録日: 2015-02-14

最終更新日: 2016-10-18

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【Q】

妊娠適齢期女性のマンモグラフィー検査は,月経直前期間を避けなければいけないか。 (福井県 K)

【A】

月経周期を考慮したマンモグラフィー検査のタイミングに関しては,主に3つの観点から考える必要がある。
第一に,検査を受ける側から考えると,月経前は特に乳房が張ってくるため,マンモグラフィーで乳房を圧迫されるときに痛みが増強する場合がある。月経が終わって1週間以内に受けるほうが,痛みは少ないと思われる。
第二に,マンモグラフィーの検査の精度から考えても,やはり月経が終わって1週間以内のほうが乳房のdensityが下がるので,病変の検出の精度が上がると想像される。しかし,これを実証する大規模な臨床試験はほとんど存在しない。それどころか,Migliorettiら(文献1)が行った研究では,不思議なことに月経開始後1週間以内にマンモグラフィー検査を受けたほうが乳癌の発見率が高かったと報告されている。
なお,乳房MRIでは日本乳癌検診学会のガイドラインで月経開始後5~12日目に撮像することを強く推奨しているが,マンモグラフィーのガイドラインでは特に規定はない。実臨床上は,月経周期によって画像が大きく変化し,月経前のマンモグラフィーが読影しにくいという経験はない。
第三に,稀ではあるが,月経前にマンモグラフィー検査を受けたところ,あとから実は妊娠していたことが判明する場合がある。
これらのことを総合的に考えると,もし可能なら月経前のマンモグラフィー検査は避けたほうがよいと言えるが,症状や疑わしい病変がある場合は必ずしも次の月経を待たずに早く検査を受けるべきだと考える。

【文献】


1) Miglioretti DL, et al:Radiology. 2011;258(2): 372-9.

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