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大正製薬:不眠症に対する4つ目のオレキシン受容体拮抗薬「ボルズィ」承認へ[新薬開発・販売 FRONTLINE]

No.5285 (2025年08月09日発行) P.68

登録日: 2025-08-07

最終更新日: 2025-08-07

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薬事審議会医薬品第一部会は7月31日、大正製薬が申請していた不眠症治療薬「ボルズィ」(一般名:ボルノレキサント)について、国内での製造販売を承認して差し支えないとの結論をまとめた。

ボルズィは、オレキシン(OX1およびOX2)受容体に対して選択的に作用するオレキシン受容体拮抗薬。オレキシン受容体への刺激を遮断することで、覚醒状態から睡眠状態への移行を促す効果が期待される。

申請は国内第Ⅲ相臨床試験の結果に基づき2024年9月に行われた。同試験では、患者日誌による不眠症患者の主観的評価を用いた有効性評価で、入眠効果を評価するsSL(subjective Sleep Latency)と睡眠維持効果を評価するsSE(subjective Sleep Efficiency)のいずれにおいてもプラセボ群と比較して有意な改善が認められた。分布容積が小さく消失半減期が短いことから、不眠症治療薬の課題の1つである「投与翌日の持ち越し効果」の懸念が少ない不眠症治療薬となり得るという。

厚労省の担当者は「部会では服用後の運転に関する注意喚起について、複数の委員から指摘があった」と説明。今後添付文書等の表記を修正し、委員の確認を取る予定となっている。

承認されれば、ベルソムラ、デエビゴ、クービビックに続いて4剤目の不眠症に対するオレキシン受容体拮抗薬となる。

「ボルズィ」の効能・効果/用法・用量
【効能・効果】不眠症
【用法・用量】通常、成人には1日1回5mgを就寝直前に経口投与(症状により適宜増減するが、1日1回10mgを超えないこととする)

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