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7対1は「重症度、医療・介護必要度」、地域包括ケア病棟は手術の出来高化が争点 - [16年度診療報酬改定に向けた入院医療のポイント]

No.4757 (2015年06月27日発行) P.7

登録日: 2015-06-27

最終更新日: 2016-11-24

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(概要) 中医協で次期診療報酬改定に向けた議論が進んでいる。今回は入院医療を巡る議論のポイントを紹介する。7対1病床は削減に向けさらなる要件厳格化が行われそうだ。


前回2014年度改定では、(1)7対1入院基本料算定病床の削減に向けた要件厳格化、(2)地域包括ケア病棟の新設─が柱となった。このうち(1)の7対1病床の削減については、16年度改定でも引き続き要件厳格化が行われる見通しだが、「高度急性期や急性期への特化」など、7対1病床のあるべき姿をどう捉えるかがポイントだ。
一方、(2)の地域包括ケア病棟は、地域包括ケアの柱としての機能を発揮するため、「病態がより複雑な患者」や「在宅復帰が困難な患者の診療」に対する評価をどう高めるかが課題となる。

●重症度、医療・介護必要度の見直しがカギ
10日の中医協総会では、入院医療等調査・評価分科会が実施した「14年度入院医療等の調査」の速報(別掲)が報告された。7対1入院基本料届出病床数は、14年3月の38万床から15年4月時点では36万4000床となり1万6000床の減少。結果について支払側の白川修二委員(健保連)は、「我々が考えていた数字に到底及ばない。次期改定では厳しく見直すべき」と強調した。これに対し、中川俊男委員(日医)は「病床数が減少しないからといって、あるべき姿として決めた要件を厳しくするのは、議論の筋が違う」と反論。削減ありきの議論を牽制したが、財務省は9万床の削減効果を想定しており、さらなる厳格化が行われるのは確実だ。
厳格化のポイントの1つは「重症度、医療・看護必要度」該当患者の割合。14年度改定では、「呼吸ケア」「喀痰吸引」「時間尿測定」を除外した上で、15%以上を満たすことが要件とされたが、調査では7対1一般病棟入院基本料が約17~18%、同特定機能病院入院基本料が約16%で、改定前と大きな変化は見られなかった。これを受け、支払側は「病院が色々な機能を持つのは理解するが、該当患者以外の割合が大きいのではないか」と指摘。本来、より高度な医療を提供するはずの特定機能病院の該当割合が一般病棟より低いことからも、「重症度、医療・看護必要度」については、より急性期に相応しい患者像を反映する指標への見直しが課題となる。

●地域包括ケア病棟「期待ほど伸びてない」
地域包括ケア病棟の届出数は、15年4月までに約3万2000床。増加傾向にあるが、中医協では「期待されたほどの伸びは見られていない」との声も出た。200床未満の中小病院が過半数を占めるが、一部大病院の届出もあり、病床稼働率を上げるための「院内機能分化」に使われているとの指摘がある。
個別項目の評価のあり方については、現在包括されている手術を出来高算定に切り替えるかが争点の1つになりそうだ。

【記者の眼】14年度改定で新設された「総合入院体制加算1」はわずか4病院の届出。「断らない病院」を想定した評価だが、要件では精神疾患患者の受け入れが厳しいという。しかし高度救命救急センターの精神疾患の受け入れは重要。要件を満たすべく努力を期待したい。(T)

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