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消化管神経内分泌腫瘍[私の治療]

No.5253 (2024年12月28日発行) P.45

藤田孝尚 (東京科学大学消化管外科学分野)

絹笠祐介 (東京科学大学消化管外科学分野教授)

登録日: 2024-12-27

最終更新日: 2024-12-24

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  • 神経内分泌腫瘍(neuroendocrine neoplasms)はNENと称され,NET(neuroendocrine tumor,神経内分泌腫瘍)とNEC(neuroendocrine carcinoma,神経内分泌癌)に大別される。膵・消化器NENについて,新たに診断される患者数は10万人当たり年間2.69人と比較的稀な腫瘍ではあるが,近年増加傾向にある。ホルモン産生症状の有無により機能性および非機能性に分類される。非遺伝性腫瘍のことが多いが,一部は多発性内分泌腫瘍1型またはvon Hippel-Lindau病に合併する。

    ▶診断のポイント

    【内視鏡所見】

    NETの場合,粘膜深層にある内分泌細胞より発生し膨張性に発育するため,表面平滑で類円形,半球状,無茎性の粘膜下腫瘍様隆起を呈することが多い。増大すると表面に中心陥凹や潰瘍を形成することが多い。

    NECの場合,発育速度が非常に速く,2型進行がんの形態で発見されることが多い。周堤は非腫瘍性上皮で被覆されることが多い。

    消化管NETが疑われた場合,内視鏡下生検で診断する。生検で陰性の場合,ボーリング生検や超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA),内視鏡的切除による治療的診断が検討される。

    【病理所見】

    組織学的所見によって分類され,高分化な腫瘍でKi-67指数が<3%,3~20%,>20%の判定により,それぞれNET G1,G2,G3と判定される。また,低分化腫瘍かつKi-67指数が20%を超えるものをNECと診断する。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    NETの診断に至った場合,CT,MRIで病期を決定するとともに,生検所見で悪性度診断を行う。組織学的所見や病期等をふまえて内視鏡治療,外科治療,集学的治療のいずれかを選択する。

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