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【識者の眼】「診療報酬改定と在宅医療DXの推進」土屋淳郎

No.5218 (2024年04月27日発行) P.60

土屋淳郎 (医療法人社団創成会土屋医院院長、全国医療介護連携ネットワーク研究会会長)

登録日: 2024-04-03

最終更新日: 2024-04-03

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診療報酬改定の詳細が明らかになってきた。一介の町医者としてはベースアップ評価料や生活習慣病管理料などが気になるところではあるが、医介連の立場としては、医療DX推進や医療介護連携に関する項目に注目している。

新設された「医療DX推進体制整備加算」の施設基準では、オンライン資格確認等システムを利用した診療情報の活用や電子処方箋発行体制に加えて、電子カルテ情報共有サービスの活用が含まれている。この電子カルテ情報共有サービスは以前から医療DXの工程表に記載されていた3文章6情報を取り扱うシステムで、これらの閲覧の他に診療情報提供書等の文章情報を電子上で送受信することもできるサービスとされている。個人的には電子カルテに準じてもっと多くの情報が取り扱えるとよいと感じていたが、他のシステムとの関連もあり、まずはここからということなのだろう。また「在宅医療DX情報活用加算」では居宅同意取得型のオンライン資格確認等システムを利用することとなっており、これにより在宅医療や訪問看護でもオンライン資格確認を中心とした医療DXが進んでいくことになりそうだ。

そして個人的に最も注目しているのが「在宅医療情報連携加算」である。在宅医療にかかわる多職種がICTを利用して記録した診療情報等を活用して医学管理を行った際に加算されるものであり、これによりICTを用いた多職種連携がさらに進んでくると期待している。以前より「多職種連携システムの利用促進には診療報酬による加算が必要」と話をしていたが、それが今回実現したのである。算定要件としては、患者の同意を得ること、治療方針の変更や留意点、ACPなどを記録すること、助言へ対応することなどがあり、施設基準としては連携する関連機関が5以上であることや参加希望があった場合には連携体制を構築することなどであり、ある程度ICTを用いた医療介護連携を既に行っている医療機関であれば、特別な設備投資や体制構築なしに算定可能なのではないだろうか。筆者の所属する地区医師会の圏域で10年前から利用しているエンブレース社のメディカルケアステーションのオフィシャルホームページでも在宅医療情報連携加算の算定方法等の説明がされているので、これを参考にするよう地域へ周知していこうと考えている。

診療報酬に関してはいろいろと思うところもあるが、医療DX推進や在宅医療における医介連携に関しては今回の改正で大きく進むことは間違いない。今後の方向性をきっちり見極めながら安心・安全で品のある医療を地域に提供できるように心がけていきたい。

土屋淳郎(医療法人社団創成会土屋医院院長、全国医療介護連携ネットワーク研究会会長)[在宅医療情報連携加算

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