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【識者の眼】「北里柴三郎先生との運命的なつながり」一二三 亨

No.5211 (2024年03月09日発行) P.62

一二三 亨 (聖路加国際病院救急科医長)

登録日: 2024-02-21

最終更新日: 2024-02-21

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2024年は北里柴三郎イヤーですので、今回は北里柴三郎先生と私の現在の研究テーマの運命的なつながりについてご紹介したいと思います。

私自身の大きな研究テーマの1つが血清療法です。もちろん血清療法は北里柴三郎先生が開発された治療法であることがよく知られています。この血清療法と同じくらい私が力を入れている研究テーマが体外循環式心肺蘇生法(extracorporeal cardiopulmonary resuscitation:ECPR)です。このECPRは、ECMO(extracorporeal membrane oxygenation)という機械を使用した心肺蘇生法のことです。血清療法は1889年に開発された最も古い近代治療法の1つであり、一方のECPRは人工心肺を使用した最新の蘇生法です。どちらも北里先生の教えによる“効く”の確信が持てるテーマであるからこそ、私自身が“熱”と“誠”を注いできました。しかしながら、なぜこのように極端に古い治療法と最新の蘇生法を人生の大きな研究テーマに選んでいるのか、自問することがよくありました。

先日ふとしたときに気づいたのですが、このECPRに使用するECMOを製造している会社にテルモ株式会社があります。このテルモ株式会社の設立者が北里柴三郎先生です。第一次世界大戦の影響で輸入が途絶えた体温計を国産化するために、北里柴三郎先生をはじめとする医師らが発起人となり、1921年に設立されました。

まったく違うと思われた私自身の2つの研究テーマですが、北里柴三郎先生のお導きと考えると運命づけられたものを感じます。このように研究というのは、時空を超えた大きなロマンであり、様々なご縁で脈々とひきつがれていくものと思います。日々の臨床での疑問を解決するためにぜひとも研究にも興味を持って頂ければ幸いですし、研究はその時代だけではなく、必ず未来にもつながっていきます。

一二三 亨(聖路加国際病院救急科医長)[血清療法][ECPR]

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