小児も成人も腎病理組織は同様であり,光学顕微鏡ではほとんど正常と区別がつかないが,電子顕微鏡では糸球体上皮細胞(足細胞)の足突起の扁平化がみられる。
急速に進行する全身のむくみが特徴であり,時に急性腎障害を引き起こす。このむくみの原因は短期間に尿に大量のアルブミンが漏出することによる。多くの場合,尿所見は細胞成分を認めないが,顕微鏡的血尿を認めることも少なくない。検査所見では1日尿蛋白量は10g以上,血清アルブミンは1g/dL近くまで低下していることもある。
多くの症例が一次性(原因が不詳)であるが,時にホジキンリンパ腫や腫瘍に併発,あるいはNSAIDsや免疫チェックポイント阻害薬使用後にも生じることがある。
上記をふまえて,腎生検を行わずに治療を開始することも多い。
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