厚生労働省は12月6日に開かれた診療報酬調査専門組織「医療機関等における消費税負担に関する分科会」に、控除対象外消費税の診療報酬による補てん状況に関する調査の結果を報告した。それによると、医科、歯科、調剤を合わせた全体の補てん率が2021年度は104.5%、22年度は106.1%だった。いずれも補てん不足とはなっていないことから、同省は24年度診療報酬改定では診療報酬の上乗せ点数の見直しは行わないことを分科会に提案し、了承された。近く中央社会保険医療協議会総会にも報告する。
調査では19年10月の臨時改定で診療報酬本体に上乗せされた消費税率5~10%部分の補てんについて、21年度と22年度の状況を把握した。
各年度における医科の補てん率をみると、21年度は①医科全体105.6%、②病院113.2%、③一般診療所88.9%、④歯科診療所103.2%、⑤保険薬局89.5%。また22年度は①医科全体107.1%、②病院112.8%、③一般診療所94.6%、④歯科診療所105.4%、⑤保険薬局91.7%―という結果。一般診療所と保険薬局では補てん不足が生じていた。病院、一般診療所、歯科診療所、保険薬局ごとの施設数による加重平均により算出した全体の補てん率は、21年度が104.5%、22年度が106.1%だった。
厚労省は、全体の補てん率が両年度とも100%を超えていることや、医科全体、歯科診療所でも補てん不足が生じていないこと、補てん不足となっている保険薬局も21年度から22年度にかけて改善がみられることなどから、24年度改定では診療報酬の上乗せ点数の見直しを行わないことを提案。各側委員は、消費税額と診療報酬での補てん状況を引き続き注視することや、適宜検証を行うことなどを条件に事務局案を了承した。