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終末期の透析中止で学会が提言発表 - 患者家族の推定意思も尊重 [日本透析医学会] 

No.4708 (2014年07月19日発行) P.9

登録日: 2014-07-19

最終更新日: 2016-11-17

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【概要】日本透析医学会はこのほど、終末期患者への透析中止の決定プロセスなどを盛り込んだ「維持血液透析の開始と継続に関する意思決定プロセスについての提言」をまとめた。


同学会は昨年1月に提言案を公表、寄せられた意見を踏まえ提言をまとめた(学会ホームページに掲載)。透析の「非開始」「継続中止」という言葉は避け、状況次第で開始や再開を検討するとの意味を込め「見合わせ」という表現を用いている。

●診療所支援の必要性指摘
提言は医療チームが見合わせを検討する状況として(1)透析を安全に行うことが困難で、患者の生命を著しく損なう危険性が高い場合、(2)患者の全身状態が極めて不良であり、なおかつ患者の意思が明示されている場合や家族が患者の意思を推定できる場合―を提示。医療チームが見合わせの方針決定を行うまでのプロセスを図のように示している。
提言は患者の自己決定の尊重を基本とし、意思決定能力が失われた患者で、家族が患者の意思を推定し決定できる場合はそれを尊重。患者の意思を推定できない場合は、まず家族と医療チームが十分話し合い、それでも合意形成できない場合には複数の専門家による委員会を設置し、その助言に基づいて合意形成に努める。家族がいない患者では自治体の福祉担当者を家族と同義として扱う。医師1名の診療所では倫理委員会の開設は不可能であるため、提言の緒言では診療所への支援が必要と指摘している。

【記者の眼】提言に沿って医療方針を決定しても法的に免責されないこと、福祉担当者に方針決定の法的根拠がないことを課題として学会は強調している。これを契機に医療者を法的に支える議論の活性化を期待したい。(K)

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