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■NEWS 「急性期一般1」の看護必要度におけるB項目の取り扱いを議論―入院・外来分科会

No.5191 (2023年10月21日発行) P.70

登録日: 2023-10-12

最終更新日: 2023-10-16

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診療報酬調査専門組織の「入院・外来医療等の調査・評価分科会」は105日、一般病棟用の「重症度、医療・看護必要度」(看護必要度)におけるB項目の取り扱いについて議論した。委員からは「急性期一般入院料1」の評価項目から外すべきだとの意見と、存続を求める意見の両論が示された。

次期改定では、高齢者の救急搬送への対応が重要課題の1つとなっており、病床の機能分化を進める観点からも、地域包括ケア病棟での受け入れを強化する方向で検討が進められている。これに関連して一般病棟用の看護必要度ではADLを評価するB項目が、高度・専門的な急性期入院医療を担う「急性期一般入院料1」の評価基準として適さないのではないかとの指摘がある。

分科会はこの日、診療情報・指標等作業グループ(G)の最終報告も踏まえ、改めてB項目の取り扱いを議論した。作業Gなどの分析によると、「急性期一般入院料1」の入院患者で平均在院日数の長い群には、全身麻酔や救急搬送の件数、1日当たりの医療資源投入量は低いが、B得点3点以上の割合や、必要度基準の基準1A得点2点以上かつB得点3点以上)にのみ該当する患者の割合が高い、という特徴がある。

一方、入院患者全体で入院初日にB得点が3点以上の割合をみると、「急性期一般入院料1」は約25%で、「急性期一般入院25」(約5060%)や「地域一般入院料1」(約65%)よりも低い。また、入院2日目以降にB得点が3点以上になる割合は、入院初日に3点以上だった場合に高く、入院初日のB得点が23点の患者が入院2日目以降に3点以上になる割合は、「急性期一般入院料1」よりも「急性期一般入院料45」や「地域一般入院料1」で高い。

■看護のアウトカムや人的資源の投入量測定のために存続を求める声も

これらの結果をみると、「急性期一般入院料1」の平均在院日数が長い群の特徴は、「急性期一般入院料25」や「地域一般入院料1」の患者と似通っており、作業Gは最終報告で「急性期一般入院料1」をはじめとする71病棟の「評価基準としてB項目は適さないのではないか」と結論づけている。分科会でも「急性期一般入院料1」の評価基準から外すべきだとの意見があったが、「看護のアウトカムや退院までに要する人的資源の投入量を測定する指標として必要だ」と存続を求める意見もあった。

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