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■NEWS 新型コロナの特例措置見直しを厚労省が事務連絡―診療報酬の特例見直しも

No.5188 (2023年09月30日発行) P.70

登録日: 2023-09-21

最終更新日: 2023-09-21

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厚生労働省は915日、新型コロナウイルス感染症に関する特例措置について、10月以降の見直しの内容を公表し、全国に事務連絡した。

新型コロナウイルス感染症は58日に5類感染症に移行したものの、それまでの特例措置を廃止すると混乱が生じるため、9月末までその多くが継続された。今回、10月以降の取り扱いがまとまったもので、20244月以降は通常の対応に完全移行するか、新たな体系で恒常的に対応することになる。

今回見直しが行われたのは、(1)医療提供体制の移行、(2)病床確保料の取り扱い、(3)診療報酬の取り扱い、(4)患者等に対する公費支援、(5)高齢者施設等への支援―など。(3)の診療報酬については913日の中央社会保険医療協議会で事務局から考え方が示され、15日に持ち回りで了承された。

■病床確保料は対象を「重症・中等症Ⅱの入院患者」に重点化

このうち(1)の医療提供体制では、「移行計画」を延長して、確保病床によらない形での患者受入を進めつつ、冬の感染拡大に対応するため確保病床も期間・対象者を重点化して仕組みを継続可能とする。

2)の病床確保料は、重点医療機関の補助区分を廃止して、対象範囲を「重症・中等症Ⅱの入院患者」に重点化。これは新型コロナの全入院患者の25%程度、約1.5万人に相当するとされる。感染状況に応じて「段階Ⅰ」から「段階Ⅲ」までの3段階を設定し、この期間に達した場合に病床確保料を支給する仕組みにする。補助単価(上限)も現行の8割に引き下げる。

3)の診療報酬では、外来と在宅について、コロナ患者への療養指導(147点)は廃止。外来で、①受入患者を限定せずに感染予防策を講じた上で診療した場合の300点は147点に、②①に該当せず院内感染対策を実施して診療した場合の147点は50点に―それぞれ引き下げる。在宅で緊急時の往診(950点)は300点に、介護保険施設等への緊急時の往診(2850点)は950点にそれぞれ引き下げる。入院では、重症患者の場合はICU等の入院料をこれまでの1.5倍から1.2倍に(8割相当)、中等症患者等の場合は救急医療管理加算1の2倍だったのを同加算2の2倍へと4割強引き下げる。一方、特定入院料等算定病棟でコロナ患者を受け入れた場合の特例は点数をそのまま存続させた。

4)の公費支援では、これまでコロナ治療薬を全額公費負担としていたのを、一部自己負担を設ける。具体的には、1割負担の人は3000円、2割負担の人は6000円、3割負担の人は9000円を上限とする。入院医療費については、現在は高額療養費の自己負担限度額から2万円を減額しているのを、1万円の減額に見直す。これは243月末までの措置。

5)の高齢者施設等への支援では、施設内療養の補助単価の引き下げなどを行うとしている。

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