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子ども虐待を疑った後の対応─気づいた後は,関係機関につなぐ[プライマリ・ケアの理論と実践(181)]

No.5176 (2023年07月08日発行) P.12

丸山大地 (福岡大学病院総合周産期母子医療センター)

登録日: 2023-07-07

最終更新日: 2023-07-07

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SUMMARY
子ども虐待を疑った場合,まず重症度について評価する。その後は重症度に応じて市町村,児童相談所,警察等の機関につなぐ。そのため,家族,地域背景をふまえた連携が大変重要である。

KEYWORD
児童福祉司
児童相談所で中心的役割を担う公務員で,子どもや保護者の相談に乗り,抱えている問題の解決をサポートする。

丸山大地 (福岡大学病院総合周産期母子医療センター)

PROFILE
北海道家庭医療学センターで家庭医療を学び,その後福岡大学筑紫病院小児科,福岡大学病院総合周産期母子医療センター勤務。家庭医療専門医・指導医。Harvard Medical School FCR修了。

POLICY・座右の銘
優しくいる,誠実でいる,優秀でいる

前回(No.5173)に引き続き,虐待診療の進め方を紹介する(3回目/全3回)。

1 重症度を評価する

子ども虐待が疑われるケースと遭遇した場合,表1 1)を参考に重症度を評価する。ここでのポイントは医学的重症度だけでなく,子どもの安全を担保できているのかを評価しなければならない点である。重度の虐待を疑った場合に,入院可能な医療機関への搬送を判断することは難しくないだろう。一方,医学的重症度が軽度〜中等度であっても,安全を担保できない場合がある。その判断のためには,家族や地域といった患者を取り巻く背景について十分に理解しておく必要がある。プライマリ・ケアにおけるACCCA(近接性,継続性,包括性,協調性,責任性)2)が虐待診療には大変重要である。

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