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急性糸球体腎炎[私の治療]

No.5163 (2023年04月08日発行) P.45

日ノ下文彦 (帝京平成大学健康医療スポーツ学部看護学科教授)

登録日: 2023-04-08

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  • 多くの急性糸球体腎炎(acute glomerulonephritis:AGN)は,溶連菌による咽頭や皮膚の感染後1週間以上経てから腎炎を発症する溶連菌感染後急性糸球体腎炎(poststreptococcal acute glomerulonephritis:PSAGN)である。PSAGNは小児期に好発し,一般に予後は良好であるが,最近は減少傾向にある。一方,高齢者を中心に溶連菌以外(ブドウ球菌など)の感染を契機に発病するAGNが増えており,これらも含め感染関連糸球体腎炎(infection-related glomerulonephritis:IRGN)という概念が定着してきた。

    ▶診断のポイント

    急性発症の腎炎(蛋白尿,血尿,浮腫,高血圧などを伴う)で,発症前の2,3週間以内に急性感染(咽頭炎や皮膚感染症)を認めていれば,PSAGNを疑う。AGN発症時に感染巣が活動性であれば培養により菌種の同定が可能な場合もあるが,補体の低下(C3優位)が診断のポイントになる。また,PSAGNを疑った場合には,ASOなどの血清学的指標も参考になる。臨床経過が好ましくない場合や他の腎炎の可能性を否定できない場合には,腎生検を考慮する。

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