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日本人の大腸がんの危険因子は?

No.5163 (2023年04月08日発行) P.53

林 朝茂 (大阪公立大学大学院医学研究科産業医学教授)

井上真奈美 (国立がん研究センターがん対策研究所 予防研究部/コホート研究部 部長)

登録日: 2023-04-10

最終更新日: 2023-04-04

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  • 生活習慣の欧米化に伴い大腸がんの罹患数は増加の一途です。
    日本人の大腸がん発症に対する危険因子について,国立がん研究センター・井上真奈美先生にご解説をお願いします。

    【質問者】林 朝茂 大阪公立大学大学院医学研究科産業医学教授


    【回答】

     【喫煙,飲酒,加工肉,肥満,運動不足,成人期高身長が大腸がんの確実な要因である】

    まず危険因子の話をする前に,わが国の大腸がんの疫学的特性が近年大きく様変わりしていることを説明します。世界のがん統計の元締めである国際がん研究機関(IARC)による2020年のがん推計では,日本の大腸がんの年齢調整罹患率は世界で第8位にランクされ,世界の中でも大腸がんの多い国となっています。ちなみに韓国は36位,米国は45位と日本ほど高くはありません。また,日本国内では,2021年の最新がん統計予測値では,大腸がんは罹患部位の第1位(がん罹患数全体の15.5%)で,その年次推移も,1990年頃から横ばいから漸増の傾向です。このように,大腸がんは日本を代表するがんとなっています。

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