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悪い知らせの伝え方─SHAREプロトコルと共感的対応[プライマリ・ケアの理論と実践(167)]

No.5148 (2022年12月24日発行) P.12

横田雄也 (岡山家庭医療センター)

鋪野紀好 (千葉大学大学院医学研究院地域医療教育学特任准教授,千葉大学医学部附属病院総合診療科)

登録日: 2022-12-22

最終更新日: 2022-12-21

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SUMMARY
患者・家族に悪い知らせを伝える際,効果的な方法としてSHAREプロトコルがある。SHAREプロトコルを実践することで,患者・家族の適切なケアにつながり,医療者自身の精神的負担の軽減にもなるだろう。そして,悪い知らせを伝える面談の中で常に必要なのが,共感的対応である。

KEYWORD
SHAREプロトコル
悪い知らせを伝えられる際,患者が望むコミュニケーション方法。「サポーティブな環境設定(Supportive environment)」「悪い知らせの伝え方(How to deliver the bad news)」「付加的な情報(Additional information)」「安心感と情緒的サポート(Reassurance and Emotional support)」の4要素の頭文字からSHAREと称される。

横田雄也1) 鋪野紀好2)(1岡山家庭医療センター 2千葉大学大学院医学研究院地域医療教育学特任准教授,千葉大学医学部附属病院総合診療科)

PROFILE
岡山協立病院で初期臨床研修を修了後,2019年より岡山家庭医療センター総合診療専門医研修専攻医,ならびに岡山大学大学院医歯薬学総合研究科社会環境生命科学専攻総合内科学博士課程。(横田,写真も)

POLICY・座右の銘
足るを知る者は富み,強めて行う者は志有り

がんの告知といった,患者の将来に多大な影響を与えるような悪い知らせを伝えることは,患者やその家族に精神的負担を強いることとなる。それだけでなく,それを伝える医療者にとっても精神的負担が大きくのしかかる。その意味で,医療者にとってはコミュニケーションの難しさを感じる状況であるだろう。

患者・家族に悪い知らせを伝える方法のひとつとしてSPIKESモデルが知られているが,海外から提唱されていることもあり,内容の一部が日本の臨床現場にそぐわない部分もある。これを受けて,日本の臨床現場により適した方法として,SHAREプロトコル1)が提唱されている。本稿では,SHAREプロトコルについて概説し,それに含まれる共感的対応について取り上げる。

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