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多職種連携に基づく精神科治療やケアのポイントは?

No.5147 (2022年12月17日発行) P.53

笠井清登 (東京大学大学院医学系研究科脳神経医学専攻臨床神経精神医学講座教授)

渡部衣美 (筑波大学附属病院精神神経科)

登録日: 2022-12-15

最終更新日: 2022-12-13

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  • 多職種連携に基づく精神科治療やケアのポイントについて教えて下さい。
    筑波大学附属病院・渡部衣美先生にご解説をお願いします。


    【質問者】

    笠井清登 東京大学大学院医学系研究科脳神経医学専攻 臨床神経精神医学講座教授


    【回答】

    【他職種に対する信頼感と尊重,心理的安全性の確保】

    臨床現場では,コミュニケーション不足をはじめ,自職種の役割と他職種の役割に対する理解,他者への信頼感,他者を尊重する態度などの不足や欠如が多職種連携を阻害すると言われています1)

    筑波大学,茨城県立医療大学,東京慈恵会医科大学は,「トランスディシプリナリーな多職種連携」によるこころのケアを有効に実践できるスタッフの養成をめざし,精神科多職種連携・ケアを担う人材養成プログラム(Psychiatric Staff Education Program for Transdisciplinary Approach:PsySEPTA)を提案し,2018年度文部科学省の課題解決型高度医療人材養成プログラム(精神関連領域)に採択されました。

    対象者は,医師,歯科医師,薬剤師,看護師,リハビリスタッフ,ソーシャルワーカーなどの15職種からなります。2019年10月に開講し,2022年4月時点で延べ受講者は226名,修了者は110名となりました。

    2021年3月までにPsySEPTAを修了し,受講前後のアンケート調査に参加した53名を対象としたネットワーク分析結果からは,受講後,連携する職種が多様化し,かつ看護師やソーシャルワーカーへのアクセスの一極集中が減弱し,効率的な連携が可能となったことが示唆されました。

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