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咳嗽,発熱が続き,両目が赤い73歳男性[鑑別診断塾入門(39)]

No.5142 (2022年11月12日発行) P.7

塩尻俊明 (国保旭中央病院総合診療内科部長)

登録日: 2022-11-11

最終更新日: 2022-11-09

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【現病歴】X-21日,咳嗽,38℃の発熱が出現。近医でセフェム系経口抗菌薬を処方されるが改善はなかった。X-16日,近医でアジスロマイシンに変更されたが症状の改善はなかった。X-10日,近医入院。両側結膜充血,WBC 1万6010/μL(Neut 81%,Eos 0%),CRP 30.0mg/dLであったが,血液培養,抗好中球細胞質抗体(ANCA)を含む各種自己抗体はすべて陰性,全身CT,UCG(経食道含む),髄液検査に異常はなかった。第3世代セフェム系抗菌薬の点滴静注を開始したが,X-0日,咳嗽は改善するものの,発熱が続くため当院転院となる。
<追加の情報>
再発性のアフタ性口内炎なし。河川や水田に素足で入る行為はない。めまい・聴力障害なし。関節痛・肋軟骨痛なし。
【既往歴】特になし。
【内服薬】なし
【生活歴】飲酒・喫煙なし。元会社員。
【バイタルサイン】BP 119/67mmHg(左右差なし),PR 82/min,RR 20/min,BT 37.8℃,SpO2 97%(RA),意識清明
【身体所見】頭部:両側眼球結膜充血あり。眼瞼結膜には充血はなし。眼痛なし。口腔内アフタを含む口腔内粘膜病変なし。耳介軟骨に異常なし。胸部:肺雑音なし。関節:関節痛・肋軟骨痛なし。皮膚:陰部潰瘍なし。結節性紅斑など皮疹はなし。

 キーワード 
・3週間の経過
・咳嗽
・発熱
・抗菌薬不応性
・両側眼球結膜充血
・炎症反応高値

考えられる診断は?

A. ベーチェット病
B. レプトスピラ症
C. 再発性多発軟骨炎
D. コーガン症候群
E. マイコプラズマ肺炎

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