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腹痛後に嘔吐を来した38歳女性[鑑別診断塾入門(35)]

No.5133 (2022年09月10日発行) P.7

塩尻俊明 (国保旭中央病院総合診療内科部長)

登録日: 2022-09-09

最終更新日: 2022-09-07

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【現病歴】X-1日,夜中1時頃から臍周囲に痛みを自覚。その後,嘔気・嘔吐が出現。日中,近医で胃腸炎の診断でファモチジン,メトクロプラミド,ビオフェルミン,アセトアミノフェンの処方となる。食事を摂ってもすぐ嘔吐する。下痢はないが排便もない。X-0日,腹痛が改善せず,水分も摂れないため来院。
<追加の情報>
食事で増悪。寝返りでも悪化。間欠的でピークの間隔は15分程度。痛みは臍周囲から下腹部正中。タール便なし。瘙痒感,蕁麻疹なし。これまで経験したことのないnumerical rating scale(NRS)10/10の痛みでうずくまっている。家族に類症なし。
【既往歴】蕁麻疹。X-2年,尿管結石。手術歴なし。
【内服薬】なし
【生活歴】飲酒:焼酎2合/毎日。仕事は魚屋で,ほぼ毎日魚の生食をしている。最終月経X-7日。パートナーとの性交渉あり。
【バイタルサイン】BP 136/96mmHg,PR 75/min,RR 16/min,BT 36.5℃,SpO2 97%(RA),意識清明
【身体所見】腹部:平坦,軟。臍周囲から自発痛と軽度の圧痛あり。反跳痛・tapping painなし。腸雑音軽度亢進。

 キーワード
・急性
・臍周囲の間欠痛
・腹痛後の嘔吐
・寝返りでも悪化
・下痢なし

考えられる診断は?

A. アニサキス症
B. 腸炎ビブリオ
C. 絞扼性腸閉塞
D. Fitz-Hugh-Curtis症候群
E. 尿管結石

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