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腰痛後に歩行が困難となった17歳女性[鑑別診断塾入門(25)]

No.5111 (2022年04月09日発行) P.7

塩尻俊明 (国保旭中央病院総合診療内科部長)

登録日: 2022-04-08

最終更新日: 2022-04-06

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【現病歴】X-7日,腰痛を自覚。X-4日,近医でL4/5の腰椎椎間板ヘルニアが疑われた。その後,肘から手掌,膝から足先,口周囲に冷えたような異常感覚が出現。X-3日,両大腿が挙がらなくなり,足の背底屈も力が入らず歩行は困難となったため近医を再診。ヘルニアでは症状の説明が困難であり,週明けに神経内科紹介の予定となった。X-1日,大腿部挙上,膝の伸展,足背底屈も困難となった。尿が出にくくなり,左顔面の動きが悪くなり,左口角より水がこぼれるようになった。また左閉眼も困難になった。しゃべると空気が口から漏れる感じも出現。X-0日,上肢も指先だけでなく挙上を含め上肢全体の力が入らず,週明けまで待てず当院ER受診。
<追加の情報>
X-15日,咽頭炎,頭痛,38℃の発熱があったが3日ほどで軽快。腰痛はER受診日まで持続。
【既往歴】X-8年,特発性てんかん(全身硬直性間代性発作)。X-8カ月,発作の再燃。
【内服薬】バルプロ酸600mg
【家族歴】特記事項なし。
【生活歴】偏食・過度な食事制限なし。吹奏楽部所属(部活はうまくいかず退部を検討中)。
【バイタルサイン】BT 36.9℃,BP 142/89 mmHg,PR 96/min,RR 16/min,SpO2 98%(RA)
【身体所見】頭頸部:左耳介に皮疹なし。背部:圧痛なし。四肢:straight leg raising test(SLRT)両側陽性。
【神経学的所見】脳神経系:左額のシワ寄せ減,左睫毛徴候陽性,頸部前屈時左広頸筋の収縮なし。「パ」行が障害。運動系:MMTでは上肢遠位近位ともに3/3,下肢は近位2/2,遠位3/3。感覚系:両肘と膝から先に軽微なジンジンする感覚。反射系:深部腱反射消失,Babinski徴候両側陰性。

 キーワード 
・先行感染 
・腰痛が先行 
・排尿困難 
・左末梢性顔面神経麻痺 
・SLRT陽性 
・両上下肢の筋力低下 
・顔面,上下肢の異常感覚
・深部腱反射消失 
・Babinski徴候陰性

考えられる診断は?

A. ギラン・バレー症候群
B. ラムゼイ・ハント症候群
C. ビタミンB1欠乏症
D. 視神経脊髄炎
E. 転換性障害

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