株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

急性腎障害(AKI)[私の治療]

No.5092 (2021年11月27日発行) P.40

山本 泉 (東京慈恵会医科大学腎臓・高血圧内科)

横尾 隆 (東京慈恵会医科大学腎臓・高血圧内科教授)

登録日: 2021-11-29

最終更新日: 2021-11-22

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • 1
    • 2
  • next
  • 2012年に国際的な急性腎障害(AKI)診断基準が作成された1)。AKIは血清クレアチニン(SCr)の変化と尿量のみで診断し,多様な病態を含む疾患概念である。

    ▶診断のポイント

    2012年に報告されたKidney Disease:Improving Global Outcomes(KDIGO)のAKI診断基準が広く用いられている1)。AKIの定義は,SCrの変化と尿量のみで規定され,48時間以内のSCr 0.3mg/dL以上の上昇または7日以内にわかっていた基礎値より1.5倍以上の上昇,尿量が6時間で0.5mL/kg/時以下,のいずれかを満たす場合と定義される。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    AKIの診断基準はSCrと尿量のみで規定される。治療に役立てるためにはAKIを分類し病態を把握するとともに,原因を取り除くことが重要である。AKIは腎前性,腎性,腎後性の3つに分類される。院外発症の多くが腎前性で,院内発症の多くが腎性である。腎後性は画像評価で否定しておく。腎前性および腎性の鑑別に,病歴と身体所見は重要で,補足的に尿沈渣,尿中ナトリウムあるいは尿素の排泄率,BUN/Cr比,尿浸透圧などを参考とする。なお,これらの指標の特徴と限界を知っておく。腎前性は,腎灌流低下によって生じる腎機能低下で,体液量減少,血圧低下,体液量過剰を伴うもの,薬剤性などがある。腎前性AKI診断のゴールドスタンダードは「適切な補液によるAKIの改善」だが,体液量過剰を伴っている場合に補液すると病態が悪化する。腎前性の要因がない,あるいは,腎前性の原因を解除しても改善しない場合に,腎性を考慮する。

    残り1,382文字あります

    会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する

    • 1
    • 2
  • next
  • 関連記事・論文

    関連書籍

    もっと見る

    関連求人情報

    関連物件情報

    page top