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膠原病に伴う腎症(ループス腎炎)[私の治療]

No.5071 (2021年07月03日発行) P.35

要 伸也 (杏林大学医学部腎臓・リウマチ膠原病内科学教室教授)

登録日: 2021-07-01

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  • ループス腎炎(lupus nephritis:LN)は,全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE)に伴う腎病変である。自己抗体を含む免疫複合体が糸球体係蹄(内皮下,上皮下)ないしメサンギウム領域に広範囲に沈着して生じ,多様な腎炎所見を呈する。ISN/RPSによる分類(2003年)により,クラスⅠ~Ⅵの6つの病型にわけられる。クラスⅡがメサンギウム増殖性,クラスⅢとⅣが増殖性(それぞれfocal,diffuse),クラスⅤが膜性,クラスⅥが硬化性のLNであり,急性病変と慢性病変を区別する。クラスⅣが最も重症型である。クラスⅤは蛋白尿あるいはネフローゼ症候群を呈する。
    LNは,SLEの様々な臓器障害のうちでも最も頻度が高く,LNの合併はSLE患者の予後を左右する。副腎皮質ステロイドと免疫抑制薬が治療の柱になる。

    ▶診断のポイント

    SLEは20~40歳代の女性に好発する。症状・所見としては,LNのほか,発熱,皮疹・関節症状,精神症状など様々な症状と,汎血球減少,リンパ球減少,低補体血症などの所見がみられる。SLEの診断は,米国リウマチ学会のSLE分類基準(1997年),またはSLICCの新分類基準(2012年)に基づく。LNの所見としては,様々な程度の検尿異常(腎炎性尿所見)と腎機能低下があり,急速進行性糸球体腎炎(RPGN)やネフローゼ症候群を呈するほか,一部は慢性の経過をたどる。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    組織型と臨床的重症度によって,治療方針を決定する。クラスⅢまたはⅣであれば,大量のステロイドとシクホスファミドまたはミコフェノール酸モフェチル(MMF)の併用,クラスⅤではステロイドとタクロリムスを中心に,MMFやミゾリビンを用いることが多い。急速に腎機能が悪化する重症例(RPGN)では,血漿交換を追加することがある。原則としてヒドロキシクロロキンを加える。それでも治療効果不十分の場合,最近は生物製剤(抗Blys/BAFF抗体)であるベリムマブの追加を考慮する。

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