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熱傷[私の治療]

No.5062 (2021年05月01日発行) P.69

栗原智宏 (国立病院機構東京医療センター救命救急センターセンター長)

登録日: 2021-05-02

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  • 「熱傷」は外傷のひとつの形態としてとらえることができ,多くの共通した臨床経過を有する。熱傷の面積,深度(表1),部位,受傷形態,気道損傷の有無により重症度が決まり,治療期間および生命予後,機能予後にも大きく関係する。
     

    ▶病歴聴取のポイント

    通常の病歴聴取に加え,特に受傷機転を詳細に聴取し,既往歴,体重を把握する。受傷機転は閉鎖空間での受傷など,気道熱傷や一酸化炭素・シアン中毒を疑うべきか否かを判断する要素にもなる。受傷機転は,化学損傷や電撃症の場合にも,重症度の推定や,その後の検査・治療に影響する。既往として糖尿病や肝硬変,ステロイド内服や担がん状態などは創治癒遅延や感染に関係する。

    ▶バイタルサイン・身体診察のポイント

    意識状態,気道や呼吸,循環の評価は最初に行われなければならない。体表の熱傷のみに目が奪われがちであるが,合併する外傷の可能性を考慮して診察を行う必要がある。重症度の分類(表2)は,現在でも「Artzの基準」がもとになっている。

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