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痔核・裂肛[私の治療]

No.5048 (2021年01月23日発行) P.39

高野正太 (大腸肛門病センター高野病院副院長/診療部長)

登録日: 2021-01-22

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  • 痔核は,肛門管の静脈が怒張して形成した静脈瘤と粘膜の滑脱が組み合わさったものである。裂肛は,肛門上皮が機械的刺激などにより損傷したものである。様々な分類があるが,急性か慢性かによって治療方針が異なる。

    ▶診断のポイント

    【痔核】

    主訴が肛門部の脱出,出血の場合,痔核を疑う。鑑別診断として血栓性外痔核,皮膚痔(スキンタグ)が挙げられる。肛門鏡診にて痔核を露出させたり,怒責写真検査にて診断する。

    【裂肛】

    排便時出血,痛みを主訴とする。痔核や肛門狭窄を伴うことがある。肛門鏡診にて裂肛を確認する。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    良性疾患であり,患者の症状の程度,病悩期間によって治療方法は患者自身が決定する。

    【痔核】

    あまり脱出を認めないGoligher分類の1度や2度の痔核の場合は保存療法を提示する。過度な怒責が症状の原因となるため,食事や水分摂取に気をつけるよう指示するが,希望があれば看護師や栄養士による食事指導などを行う。慢性的に脱出や出血を繰り返す場合は,初期から手術や注射療法などの積極的治療を提示することもある。

    【裂肛】

    基本は保存療法となる。硬便や繰り返す軟便が原因となるため,食事や水分摂取に気をつけるよう指示するが,希望があれば看護師や栄養士による食事指導や日常生活の見直しを教育する。疼痛が強い裂肛の場合は,初期に根治手術を検討することもある。慢性化しスキンタグを伴う場合などに手術療法を提示する。また,肛門狭窄を認める場合は手術適応となるが,無麻酔下の診察時に疼痛のために肛門の収縮をきたし,狭窄しているような所見を得ることが多々ある。未熟な肛門科医はこの時点で手術療法を選択し,結局,腰椎麻酔下に観察すると狭窄を認めない,ということを経験する。まずは保存的治療を行った後に再度診察し,器質的な狭窄があるか確認した上で適応を決めるべきである。

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