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【識者の眼】「国は回復期リハビリテーション病棟をどうしたいのか─リハビリ集中病棟への転換を」武久洋三

No.5023 (2020年08月01日発行) P.63

武久洋三 (医療法人平成博愛会博愛記念病院理事長)

登録日: 2020-07-27

最終更新日: 2020-07-27

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私はかねてより、リハビリテーション(以下、リハビリ)は回復期に主に行うべきではない、出来高でなく入院費に包括されるべきものだ、そして「量」ではなく「質」で評価するべきだ、と主張している。

回復期リハビリテーション病棟は2000年度に新設されたが、出来高算定で1人の患者に1人の療法士が1単位20分間リハビリを行えば1日最大9単位の診療報酬が得られる。どのようにリハビリをしたのか、結果はどうだったのかは不問だった。しかし2016年度にFIM(機能的自立度評価法)利得に基づく実績指数が開始された途端にFIM利得が増えたように自己評価するところが増え始めた。実績指数の計算対象として報告月の前月までの6カ月間に退棟した患者とし、在棟中に回復期リハビリ病棟入院料を1度も算定しなかった患者や、在棟中に死亡した患者、高次脳機能障害の患者が在棟患者の4割以上の病院では高次脳機能障害の患者をすべて除外しても良い、という除外規定がある。さらに4つの除外患者規定として患者が80歳以上や、FIMの運動項目20点以下や76点以上、認知項目24点以下が設けられている。しかし現場でリハビリを行っていると、4つの除外規定のいずれの項目もFIM点数は上昇している。何よりもリハビリは発症直後から行われるべきであり、約1カ月後の回復期に始められるべきものではない。規制づくめではなく現場に任せて自由に行わせるべき時期が来ている。

国は回復期リハビリ病棟をどう思っているのか。リハビリがほとんど行われない急性期病院入院中に関節が拘縮してしまって退院した後からリハビリをして、十分に回復すると信じているのであろうか。もうそろそろ急性期病棟に基準リハビリ制度を導入し、患者4人に1人の療法士を配置し、質の高い急性期での多彩なリハビリを早期に確実に提供し、早く日常生活に戻れるようにするべきである。

さらに現在の回復期リハビリ病棟を発病時期にかかわらず集中してリハビリを提供できる“リハビリ集中病棟”としてはどうか。そこでは急性障害だけでなく慢性期や在宅療養中の機能低下にも対応するべきである。アウトカムが良ければその病院の評価が上がり、自然に地域の住民に知られて、その病院に患者が集中するだろう。

国は回復期リハビリ病棟をどうしたいのか。

武久洋三(医療法人平成博愛会博愛記念病院理事長)[リハビリテーション]

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