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特定の姿勢で誘発される8年前からのめまいで受診した33歳男性[キーフレーズで読み解く 外来診断学(223)]

No.5017 (2020年06月20日発行) P.1

監修: 生坂政臣 (千葉大学医学部附属病院総合診療科)

石塚晃介 (千葉大学医学部附属病院総合診療科)

鋪野紀好 (千葉大学医学部附属病院総合診療科)

野田和敬 (千葉大学医学部附属病院総合診療科)

上原孝紀 (千葉大学医学部附属病院総合診療科)

登録日: 2020-06-18

最終更新日: 2020-06-17

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8年前に頭位変換時のめまいが出現し,近医耳鼻咽喉科を受診。方向交代性向地性眼振を認め,良性発作性頭位めまい症(水平半規管型)の診断となった。1カ月後の再診時には眼振は消失していたものの,以降もめまい発作を繰り返した。近医の脳神経外科で精査を受けるも異常を認めず,当科を紹介受診した。

めまいは浮動性であり,左や上を向く,立位,歩行で誘発される(図1)。持続時間は数秒~5分以内で,毎日何度も繰り返す。頭痛・悪心・嘔吐・耳鳴・難聴なし。電車運転士で,8年前から資格試験への不安が強く,不眠が続いているという。外出はできるが,自動車や電車に乗れないために休職中である。気分の落ち込み,興味や喜びの喪失,睡眠障害,意欲の減退を認めるが,Hamilton抑うつ評価尺度では11点と軽症であった(8〜13点)。

身体診察ではDix-Hallpike testおよびsupine roll testを含めて異常所見なし。一般血液・生化学検査は正常範囲。


研修医の診断:うつ病

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